簡単 カード マジック やり方、プロ 明かす、現代 テクニック

June 23, 2008

書籍紹介: 現代カードマジックのテクニック

松田道弘さんの新しい本が東京堂出版から発売になりました。

松田さんご自身、カードマジックに対する考え方がこの1,2年で大きく変化してきたようです。

私自身のカードマジックに対する考え方もここ一二年で大きく変わってきました。以前はマニアにもそのタネがわからないような巧緻な作品をつくりあげるのがひとつの目標でした。必然的に手順が複雑化し長くなるのもやむをえません。短編だとどうしても他人のアイディアとぶつかる危険性が多すぎるからです。
いま考えているのは手つづきは必ずしも簡単でなくても、客からみた現象の簡明な作品の創造です。

(あとがきより)

この言葉からもわかるように、解説されているカードマジックはどれもあざやかで、切れ味の鋭いものばかりです。どれも松田さんが数年から20数年、手塩に掛けて育ててきたカードマジックの、ひとつの完成した姿を見る思いがします。

欧米のマジックショップが出している広告を見ていると、「コマーシャル」”Commercial”という言葉がよく出てきます。”COMMERCIAL TRICK !!”とあれば、「商売になるトリック」ひらたく言えば「観客にうけるマジック」ということです。

ただお断りしておかなければならないのは、この本に解説されているマジックは観客から見た現象は不思議で、それでいてすっきりとしているのですが、裏側ではかなりのテクニックを要求されます。松田さんのオリジナル技法や、カードマジックの世界ではよく知られている技法なども駆使しているため、技術的に相当練習が必要なものも含まれています。しかしこれはあくまで裏側のことであり、表から見た現象は大変あざやかです。

今回新しい試みとして、この本には小野坂東氏考案の「ひっくりキング」に使用されるネタカードや、アルティメイト・ツイスターなどに使用する派手な裏模様のカードが添付されています。「ひっくりキング」は、キングの「後ろ姿」が描かれた特殊なものです。海外でも”BacKing”という名前で販売されていますので、ご存じの方もおおぜいいると思いますが、このカードを使った松田さんのバリエーションが解説されています。

このマジックは意外性があり、面白いので「現象」をざっと紹介します。

これは想像力のゲームだと説明します。4枚のキング見せ、この中の1枚のマークを自由に選んでもらい、そのカードだけが裏向きになった状態を想像してもらいます。カードを広げると、本当に観客の選んだカードだけが裏向きになっています。
さらに、そのキングが「後ろ向き」、つまり背中を見せている状態を想像してもらうと、実際に後ろ向きになったキングが現れるので観客は驚きます。最後はすべてのキングが後ろ向きになります。

ざっと以上のようなトリックですが、品のよいユーモアと不思議さがほどよくまざったしゃれたマジックだと思います。箴言集でも紹介したデビッド・カッパーフィールドの言葉、

If it can be imagined, it is real.(想像できたら、実現したのと同じこと)

などの話を織り込みながら見せると、妙に説得力のあるマジックになると思います。

この本には、カードマジックの分野では有名なトリック、たとえば「リセット」「オイル・アンド・ウォーター」「カニバル・カード」「セブン・カード・モンテ」「ダンバリー・デリュージョン」「スローモーション・フォー・エース」等の、今となっては古典とも言えるトリックの松田さん流の改案が楽しめます。この種のマジックは世界中で数多くのマジシャンがさまざまなバリエーションを発表していますが、歴史と変遷、参考文献も充実していますので、興味がある方にとっては参考になるはずです。
現代 カード マジック テクニック

出典: plaza.harmonix.ne.jp/~k-miwa/

May 29, 2008

カット

デックを二つに分けて、上下を入れ替える動作を「カット」”Cut”と言います。

これはマジックだけではなく、一般的なカードゲームのときも必ず行います。誰かがカードをシャッフルしたら、それを右隣の人の前に置いて「カット」してもらいます。不正防止のための儀式のようなものです。

<カット>”Cut”

先ほどもふれたように、カットを行う状況はゲームのときもマジックのときもあります。基本的には同じですので、カードのシャッフルが終わったところから説明します。

カード マジック 技法 フラリッシュ やり方

写真【1】

1.今、カードをシャッフルし終わったところです。デックを裏向きのまま、右隣の人の前に置きます。横向きに置いてください。置かれた人は上の写真【1】のように、右手でデックの上半分くらいを持ち上げ、10センチから20センチ程度前方に、持ち上げたパケットをテーブルの上に置きます。(下の写真【2】)

カード マジック 技法

写真【2】

2.手前に残っている下半分を右手で取り上げ、先ほど置いたパケットの上に重ねてしまいます。これで下半分と上半分が中央あたりで入れ替わったことになります。

3.以上の動作を右隣の人にやってもらったら、シャッフルをした人はデックを右手で「エンド・グリップ」で取り上げ、ディーリングポジションに持ちカードを配り始めます。

「カット」は技法と呼ぶようなものではありませんが、マジックでも頻繁に出てきますので覚えておいてください。

<マジックで「カット」をしてもらうとき>

カードマジックの場面でも、観客に「カット」をしてもらうことがあります。観客の前にデックを置いて「カットしてください」と言ったとしても、一般の人には「カット」という意味はわからないと思います。

「カット」は先ほどのように、分けた上半分の上に下半分を乗せるところまでおこなってはじめて「カット」と言うのですが、マジックで「カット」をしてもらうとき、上半分を持ち上げてもらい、それをテーブルの上に置いてもらったらそれでよい場合もあります。つまり下半分は重ねないで、半分に分けた二つのパケットがテーブルの上にある状態で次の操作に移ることがあります。

このようなこともありますから、一般の人に指示するときは、私は次のようにしています。

1.「トランプを半分くらい持ち上げてください」 と指示します。

このとき、観客が半分くらい持ち上げるまで見ています。

2.持ち上げたのを確認したら、テーブルの適当な場所を指さし、「ここに置いてください」と指示します。

「1」で、観客が持ち上げるのを確認してから、場所を指示するのはとても大切なことです。これを「カードを半分くらい持ち上げて、ここに置いてください」と一度に言ってしまうとまずいことが起きる可能性があります。たとえばカードを半分ほど置いてから、枚数が少ないと思うと、勝手に下半分からさらに何枚かを取り上げ、追加する人がいます。このようなことをされても何も問題のないこともありますが、マジックによっては都合の悪いこともあるのです。先のように2段に分けて指示を出せばそれが防げます。

3.下半分を上半分の上に重ねてもらうのであれば、残っている下半分を指さし、「それを全部持ち上げてください」と指示します。ここでも観客が全部持ち上げたのを確認してから、上半分のパケットを指さし、「この上にそれを全部重ねてください」と言います。ここでも先ほどと同じで、残っている下半分を観客が全部持ち上げたのを確認するまで次の動作を言ってはいけません。全部持ち上げてから、重ねるように指示します。これで完全なカットをしたのと同じ状態になります。

カットのような簡単な動作で、今のように分けて指示をすることの重要性が初心者の方にはわからないと思いますが、何度かこのような動作を観客にやってもらうと、こちらにとって少々まずい動作を観客がすることが少なくないとわかると思います。

起こり得るトラブルを予測して、それを防ぐために細心の気配りができるようになると、マジックで失敗する率はぐっと減ってきます。

出典: plaza.harmonix.ne.jp/~k-miwa/